『松原望の確率過程 超!入門』がすばらしかった

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 松原望と言えば、私のようなできの悪い理系学生が留年から免れられたという点で杉原千畝と双璧をなす人なのですけれど、書名にご自身の名前を冠した『松原望の確率過程 超!入門』があまりにすばらしく感動した次第です。

 そもそもが「この薄さで」「数式をきちんと使いつつ」「非常にわかりやすい説明で」「重要なポイントは押さえて」「数列や微分などの必要となる前提知識を必要に応じて分かりやすく解説しつつ」「ブラック=ショールズ方程式の入り口までつながっている」という、もうすごいとしか言いようがない本です。

 具体的には、条件付き確率とかは初学者には分かりにくく「赤い球と白い球を入れた袋がうんぬん…」という例で説明されるのが多い中、「ある男の子が好きな女の子がいて、彼女が自分のことを好きである」というのは確率的な事象であり、まぁそこまでは素人でも思いつくとは思うのですが、その先がすごい。「その女の子がその男の子のことを好きなときに、好きだというかどうか」も確率的な事象である、と。つまり、「好きだけど、好きじゃないというかもしれないではないか」と。いやね、こんな例で条件付き確率とか事後確率とかの話をするのは初めて見ました。目から鱗が30枚くらい落ちましたね。

 ということで、確率過程について知りたいと思ったら、最初に読むべき本はこれです。高校生でも読めると思います。